パンチェッタを作る。。。pancetta
2008年 12月 19日
今回は、塩漬けにした豚ばら肉の「panchetta」。。。
pancia(パンチィア:おなか、腹部、おなかの脂)の小さいもの(?)で「pancetta」という名前になった。
イタリアのパンチェッタは、日本で「ベーコン」や「生ベーコン」とよく言われるが、豚肉のかたまりに荒塩をすり込み、1ヶ月以上熟成させ乾燥させるので、基本的にはベーコンとは別物。
また、ベーコンのように燻製したものは、「pancetta affumicata(パンチェッタ・アッフミカータ)」といい、イタリア版のベーコンは「speck(スペック:イタリアのドイツ語圏、オーストリアの食文化に近い地域)」という。
パンチェッタは生ハムなどと作り方が似ているため、種類によっては生ハムと同じように加熱をしなくても食べられる種類がある。
また、豚のほほ肉で作られたものを「guanciale:グゥアンチアーレ」といい、地域によってスパイスやハーブや唐辛子などをすり込んだものがある。
熟成期間は、2~3週間とパンチェッタよりも少し短かく、パンチェッタと同様に生ハムと同じように食べられる種類もあり、独特の酸味も少しあり地域によってまったく味の傾向が違うので、旅行先で見つけたときには肉屋さんでグゥアンチアーレとパンを買うと楽しめる。
パンチェッタとグゥアンチアーレは、カルボナーラやアマトリチアーナやボロニェーゼなどのパスタを作るときに炒めて使うことが多い。
データとして・・・特徴のある種類
・Pancetta arrotolata dei Monti Nebrodi(パンチェッタ・アッロトラータ・デイ・モンティ・ネブロディ:シチーリア州)
・Pancetta di Calabria Dop(パンチェッタ・ディ・カラーブリア:カラーブリア州)
・Pancetta di Martina Franca(パンチェッタ・ディ・マルティーナ・フランカ:プーリィア州)
・Pancetta piacentina Dop(パンチェッタ・ピアチェンティーナ:エミーリア・ロマーニャ州ピアチェンツァ)
・Pancetta steccata di Parma(パンチェッタ・ステッカータ・ディ・パルマ:エミーリア・ロマーニャ州パルマ)
・Pancetta tesa lucana(パンチェッタ・テーザ・ルカーナ:バジリカータ州)
・Guanciale amatriciano(グゥアンチアーレ・アマトリチアーノ:アブルッツォ~ラーツィオ州の間くらいの町で作られている)
・Guanciale sardo(グゥアンチアーレ・サルド:サルデーニア州で作られている。ラードの部位が多いのも特徴)
・Speck d'oca(スペック・ドォーカ:フリウリ・ヴェネーツィア・ジウィリア州のガチョウのベーコン)
・Speck dell'Alto Adige Igp(スペック・デッラーディジェ:アルト・アーディジェ州のベーコン)
●パンチェッタを作ってみる。
日本でカルボナーラやアマトリチアーナを作るときに、どうしてもベーコンだとおいしさが出なく困っていました。
スーパーで見かけた「豚ばら肉のブロック」を使って、簡単に作れないかやってみました。
ハーブやスパイスを使った物もあるが、料理に使いやすいように岩塩だけのパンチェッタを作ってみました。
1.豚ばら肉のブロックを触る前に手、豚ばら肉が触れる用具などすべてを良く洗う。
2.豚ばら肉の表面を水で洗う。
3.豚ばら肉の周りに岩塩を擦りつける。
4.ジップロックなど封が閉じられるビニール袋に岩塩をつけたままの豚ばら肉をいれ冷蔵庫へ入れる。
5.1日くらい経つとビニール袋に汁が溜まるので、肉に触れないようにする。
6.2~3日くらい経つと汁が出なくなるので、ビニール袋から出し皿に移す。
7.皿の上に割り箸などを使い、出来るだけ空気が触れる面を多くして、冷蔵庫へ入れる。
8.岩塩を擦りつけてから2週間くらい経つと豚ばら肉の表面が乾燥してきたら、料理に使えるようになります。
9.3週間くらい経つと熟成し過ぎるかもしれなくなるので、料理に使いやすい大きさに切り、冷凍庫で保存をする。
注意:
冷蔵庫内に納豆などの発酵製品がある場合は、出来るだけ離して熟成させてください。
無菌豚以外で作る場合は、必ず加熱して料理に使用してください。
簡単にしたレシピなので、ここからアレンジをするとより美味しくなるかも知れません。
細かく切り、炒めるとカルボナーラやアマトリチアーナの味にコクが出ます。