イタリア料理って? その1
2007年 06月 09日
cucina italiana (クチーナ・イタリアーナ)
la cucina in italia (ラ・クチーナ・イン・イターリア)
イタリア料理は、イタリアを発祥とする地方料理の総称で、人によっては「伝統的な地方料理はあるが、イタリア料理はない」という意見もあるぐらい、地域によって特徴のある料理が多いです。
ピエモンテ州のアレッサンドリア(alessandria)という街の本屋さんで「アレッサンドリアの料理」という文章だけの料理本が売っているのを見かけたことがありました。
ひとつの街の料理だけ(周辺で作られている料理もあるが)を集めて、ちゃんと本が作れるくらい郷土料理が多いです。
それぞれの地域の特徴や特産を理解し、その街やそこに住んでいる人たちの歴史を知るだけで伝統的な料理をより楽しむことが出来ます。
現在は、ほとんどの地域でオリーブ・オイルを使いますが、場所や料理によっては「やっぱり、昔から使われているラードでなければ、本当の味が出ない」という人もいます。
その為、「これが使われていないとイタリア料理ではない」という定義するのは、とても難しいです。
☆イタリアで食事をする場所、あれこれ。
・Ristorante (リストランテ)
・Osteria (オステリーア)
・Trattoria (トラットリーア)
・Taverna (タヴェールナ)
全て、レストランのような感じだが、格の違いで名前が違う。
「トラットリア」という名前の「リストランテ」や「オステリーア」という名前の「リストランテ」もあるので、正確な違いを表すのは難しいです。
「リストランテ」は日本で言う「レストラン」です。
「ristorante」の語源は、「ristorare(リストラーレ)」と言う動詞からきていると思われます。
意味は、「(食事や休養で)元気を回復させる」ですが、そもそもはフランス語からきていると思われます。
現在「オステリーア」と「リストランテ」と区別するのは難しいです。
昔、宿屋や旅館と併設していた「居酒屋と食堂」を合わせたような「飲食店」をさしていた言葉で、そこから生まれた「食堂」と言う意味です。
「オステリア」という言葉もフランス語からきていると思われます。
「トラットリア」は「街の食堂」という感じで使われています。
普段から通えるような「食事処」という感じでしょうか。
「タヴェールナ」は、「居酒屋」「大衆食堂」などと訳されます。
もともとは、農村地域などの食堂などを指していたが、今では「田舎料理レストラン」や「郷土料理レストラン」などの田舎をコンセプトにしたレストランなどでも使われています。
・Pizzeria (ピッツェリーア)
ピッツァ専門店。
外食の店で「リストランテ」「オステリア」「トラットリア」という順の下で、気軽に立ち寄ることが出来るが、店によっては「リストランテ・ピッツェリア」というカテゴリーで料理も楽しめる。
ほとんどの店には、ピッツァ専用の釜を持っていて、ピッツァ専門の料理人もいる。
レストランのようにサービスを受けられる店から、切り売りなどの持ち帰り専用の店まである。
レストランのような店でも持ち帰りが出来るのも「ピッツェリア」ならでは。
・Paninoteca (パニノテーカ)
panino(パニーノ:パニーニ)などを売っていて、主に持ち帰りの店が多い。
paninoやtramezzino(トラメッツィーノ:サンドウィッチ)や飲み物を売っている。
イタリア版ファースト・フードという感じです。
大きな通りやdiscoteca(ディスコテーカ:ディスコ)の周辺にトラックを改造した屋台のようなPaninoteca(パニノテーカ)も見ることが出来る。
こういう夜の屋台では、Hamburger(アンブルゲル:ハンバーガー)なども楽しめる。
・Mensa (メンサ)
学校、大学、会社、修道院などの食堂で、一般的なレストランなどの食事をする場所ではありませんが、街中を散歩していると見かけることがあります。
場所によっては、一般の人も食事が出来るところがあります。
・Bar (バール)
・Tavola calda (ターヴォラ・カルダ)
・Tavola fredda (ターヴォラ・フレッダ)
バールの基本は、エスプレッソやカップチーノなどのコーヒー類、紅茶類、ワインやビールやリキュールなどのアルコール類などを立ち飲みでも楽しめる場所。
朝は、ブリオッシュ(クロワッサンのような物)などの、夜はアルコール類などと一緒に食べる軽食などを用意している。
Tavola calda(ターヴォラ・カルダ)とTavola fredda(ターヴォラ・フレッダ)は、軽食などを出すバールなどをさす。
calda(カルダ)は、テーブルで暖めた物を食べられるバール。fredda(フレッダ)は、暖めなくても食べられる酢漬けなどの軽食が食べられるバール。
イタリアのバールは、大変奥が深く「バール学」と言えるような、イタリア人にとっては欠かせない場所だ。
・Enoteca (エノテーカ)
基本は、ワインを販売飲みする「ワイン屋さん」だが、ワインを立ち飲みで楽しめる店もある。
軽食などを置いていなく、ワインのみの店が多い。
「Enoteca」という名前の「リストランテ」や「オステリア」もあり、そういう店では「ワインを多くそろえているリストランテ」というカテゴリーになる。
・Bacalo (バーカロ)
ヴェネーツィア(ヴェネツィア)独特のバールのような物で、基本はアルコール類と軽食を立ち飲みで楽しめる。
基本的には「enoteca」と同じような感じだが、イタリア語の辞書だと「osteria」のヴェネート語(ヴェネツィアのある州の方言)となっている。
軽食は、cichetto(チケット:普通は複数形の「cichetti:チケッティ」という)と呼ばれる独特の軽食で店によってかなり特徴がある。
・Wine Bar (ワイン・バール)
ほとんど「Enoteca」と同じだが、「若いイタリア人のワイン離れ」から生まれたカテゴリー。
エノテーカより「Osteria:オステリーア」に近い店も多く、料理を本格的に出す店も多くなってきた。
・Birreria (ビッレリーア)
ビア・ホールのようなもので、もともとイタリアには無かったもの。
ドイツ、オランダ、ベルギー、イギリスなどのビールを扱う店が多く、一番多いのは「アイリッシュ・パブ」と呼ばれるイギリス・ビールを主に扱う店です。
最近は、イタリアで作られるビールを売る店も増えてきている。
日本風に言うと「ミラノで作られている地ビールを楽しめる店」です。
cappero(カッペロ:ケーパー)をacciuga(アッチューガ:アンチョビ)で巻いて、小さな玉ねぎのオイル漬けに刺したもの。
イタリアの食堂では、昼でも夜でもワインが普通においてあります。
このときは、白ワインと水でしたが、赤ワインがあったり、ロゼ・ワインが出たときもありました。
このような食堂でも、Richard Ginori(リチャード・ジノリ)の食器が使われているのは、さすがイタリアの食堂です。
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