演奏会を楽しむ為に その2
2006年 10月 19日
1931年生まれ。
戦後に高校の音楽教師になったが、見たこともない国の西洋音楽を教えることに疑問を抱き、70年に渡欧。
自国の民族音楽を誇りとする市民の姿にショックを受け、日本の音を求めて結成された作曲グループ「たにしの会」に参加した。
各地を歩いて古い民謡などの採譜や研究を重ね、日本音階による作曲活動を始めた。
この曲は、1976年11月に完成し、1977年5月28日上田市民会館における「たにしの会 第3回作品発表会」で初演された。
「くまさん変奏曲」の「くまさん」は「森のくまさん」ではなく、じゃんけんでものまねをさせ合いながら跳ぶなわとび歌です。
「くまさん、くまさん、かたあしあげて、
くまさん、くまさん、ぐるりとまわって、
やまこーえ、たにこーえ、
おやまの、おやまの、がってんこ」
出版された楽譜は、変奏曲のテーマ、第一変奏曲~第八変奏曲=コーダ、と8つの変奏曲からなっているが、初演時は第七変奏曲と第八変奏曲の間に「自由な4声フーガ」が入っていた。
出版されていた楽譜が絶版になっていたため、AncieメンバーのM田くんが知り合いから作曲者に直接楽譜を譲ってもらえた為、今回の演奏会では出版時に削られてしまった変奏曲を入れた「オリジナル・原典版」で演奏することになった。
クラリネット四重奏オリジナル曲では珍しい日本民謡(日本音階)を用いた作品なので、はじめてこの曲を聴く人にとっても楽しく聴ける。
参考:asahi.com マイタウン長野、音楽之友社「くまさん変奏曲」より