忘れないで・・・ 2004年3月11日の記憶・・・
2011年 03月 10日
僕は、イタリアのマルケ州アンコーナと言う街に住んでいました。
アンコーナからロンバルディア州のミラノやピエモンテ州のアレッサンドリアまでレッスンに通っていました。
毎週約500kmの距離を鉄道で移動していました。
旅行や鉄道が好きなので移動をするのは全く苦にならなかったのですが、この時期にヨーロッパ(EU)で非常に大きな事件がおきました。
2004年3月11日の早朝(7:36~7:40の間)、スペイン・マドリード市内にある3つの駅で爆発が起こりました。
その爆発は、アルカラ・デ・エナーレスとマドリードのアトーチャ駅を結ぶ路線の同じ方向の列車の中で合計10回起こり、列車や駅の建物は激しく壊れました。
通勤時間帯だった為に191人の死者、2000人以上が負傷しました。
イスラム過激派系のテロリストによる時限爆弾による犯行でした。
その事件以降、イタリアの大きな駅でも警戒がされていました。
特にミラノ中央駅からバルセロナへ向かう寝台列車(タルゴ:サルバドール・ダリ号)の停車していたホームには近寄ることすら出来ない状態でした。
マドリード・アトーチャ(Atocha)駅に悲劇の3周年式典にあわせ記念碑が作られました。
記念碑は国鉄の駅の近くにある地下鉄の駅に作られました。
記念碑と言っても非常に大きな物で、地上から地下空間まであります。
地上はアクリル素材で作られた大きな円筒形の建造物で、その内部には変形した泡のようにゆがんだ別のアクリルで作られています。
内部のゆがんだ空間には、事件後駅に残されたたくさんのメッセージが印刷されています。
駅前なので地上から見ると、車の通りが多く騒がしいのですが、地下へ行くと・・・
地上からは想像できない地下の静けさはまるで教会のようでした。
深い青い空間に地上から降り注ぐ光、光を見上げると空に浮かぶ多くのメッセージを見ていると自分が移空間に入っていくような感覚でした。
僕は、東京の地下鉄サリン事件の時、八丁堀駅の広い道路で横たわり救護を待つ人、たくさんの救急車を目の前で見ました。
もう少し早い時間に駅に居たら、自分もこの中に居たかも知れませんでした。
その後、営団地下鉄(現東京メトロ)でバイトをして、その頃の事を多くの社員さん達に聞きました。
無差別に狙ったテロなどが無くなり、平和な世界になることを願って・・・
全ての写真は2007年9月17日マドリードで撮影した物です。
写真に付添ってくれたのはスペイン人の友達David Salinas君です。