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世界最古のバス・クラリネットのソロ

僕のバスクラリネットの先生、ロッコ・パリージ(Rocco Parisi)の演奏です。



イタリアをブーツの形に例えるとかかと辺りにあるプーリィア州アルタムーラと言う街で生まれた作曲家メルカダンテ(クラリネットやフルートの協奏曲も作曲しました)の書いたオペラ「アンティオーキオのエンマ(Emma d'Antiochio)」の第2幕のDuettoの前奏にバス・クラリネット(当時の楽譜にはContro Clarinettoと書かれています)のソロが出てきます。
このオペラは、1834年3月8日にヴェネツィアのフェニーチェ劇場(Venezia, Teatro La Fenice)で初演されました。
歴史上、初めてバス・クラリネットのソロが登場した曲です。

今の楽器で演奏してもとても難しいソロです。
当時は「S字」のセルパンのようなバス・クラリネットで演奏されていたと思われます。
初めて作曲されたバス・クラリネットの為のソロは、非常に美しくそして技巧的です。

楽譜はin Cで書かれヘ音、テノール、ト音記号が混ぜて書かれています。
(クラリネットはin Bとin Cの箇所があります)
当時の楽器はC管だったのかも知れません。
現在使われているバスクラリネットになる前の楽器構造の方が技巧的な事が出来たのかも知れないです。

つい最近までは、マイヤベーアのオペラ「ユグノー教徒(Les Huguenots/Gli Ugonotti)1836年2月29日パリで初演」に登場するバス・クラリネットが一番古いソロと言われていました。

これを考えるとヴェネツィアとパリにはすでにバス・クラリネットのような楽器が存在していたようです。
by vagaoku | 2014-12-08 16:38 | musica/音楽

音楽と旅行と食べ歩き、イタリアに留学していたクラリネット奏者+元イタリア・スローフード協会会員、奥田英之の話


by vagaoku
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